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葛飾区砂場・運動場放射線量マップ2011/09/04 15:24

葛飾区の広報が度々新聞の折込に混ざって入ってきます。
これの9月5日版に,区内の保育園・幼稚園,公園・児童遊園,小・中学校,特別支援学校,運動場・野球場など,区が管理する施設の主に砂場について,空間放射線量の測定をした結果が載っておりました。
6月2日から区として,測定をしてきているようですが,今回のデータは8月3日から17日までの測定結果だそうです。
この6月以降の区の独自調査は,各地で「ホットスポット」ということが言われ始め,葛飾区もやや高めなのではないかと住民の間でも言われ始めた頃のちょっと後になります。
確かに区のページでも線量の測定結果を発表するようになったのですね。
ただ今回のような細かい調査ではありません。
水素爆発の数日後に,子供たちが普通に砂場や原っぱで遊んでいたこともあったかと思いますが,ちょっと行政として反応が遅いようにも思います。
勿論測定機器が入手困難であったり,いろいろな難しさはあったかと思いますが。
それはそれとして,数字を見ていきました。
広報ではずらずらっと〇〇幼稚園(の砂場)が0.何マイクロシーベルト/時と書いてあるだけで,イメージしにくい。
そこで,0.5マイクロシーベルト/時以上を赤,0.40~0.49を紫,0.30~0.39を青,0.20~0.29を緑のポイントで地図に印してみました。


大変見づらいと思います。申し訳ありません。クリックで拡大します。
まず今回の調査の問題点も指摘しておきましょう。
それは2機種の測定器が使われているということです。
数字を見ると,一方の測定器の方が,高い線量を示す傾向が見てとれます。
本来なら同じ測定器を使うべきです。
ただ,その高い線量を示す測定器でも低い数値を出しているポイントもあり,全体として低い数値を示す測定器でも,高い数値を出しているポイントもあり,一応は両者の数字を区別することなく,色分けの印を打っていきました。青以上はやや高めであろうという感じ。
それから,今回の調査は区内の411施設436箇所で行われましたが,私が印を打ったのは幼稚園・保育園,小・中学校,特別支援学校,運動場・野球場だけにして,公園・児童公園は除外しました。
数が多くなって大変ということもありますが,公園・児童公園で0.30以上の数値が出ているところが無かったので省略しました。↑の地図の隙間に,0.2台の緑と,0.1台の黄色が更に追加されると思って下さい。
これを見てまず気がつくのは,葛飾の東北部と南西部に線量の高いポイントが集まっているかなというところ。
立石の区役所周りに0.5以上のポイントが3つあるのは特に目立ち,お花茶屋の駅を挟んで0.4台のポイントが二つあるのも気になります。
この一帯に,ある程度集中して放射性降下物が落ちたのかと考えられます。東金町エリアの赤ポイント二つもそうですね。
それと,これははっきりとは言えないかもしれませんが,ざっくり見ると,川の近くが線量高めではないかと。
風の通りで線量の差が出てくることもあるかもしれない。
金町駅の北西の青ポイントは我が母校の金町中学校なのですが,0.37とやや高め。
あの学校は北に団地,東にマンションが建ち並び,そこで気流の変化が起こるかもしれない。吹き抜けずにそこに落ちたとも考えられるかなと。
風の通り道があって,それが建造物などによって巻き込み,付近に落ちると。
例えば清和小学校の東側は0.52とかなり高めであるにもかかわらず,砂場では0.21。
同じ学校の敷地内でも全く違うのですね。これは東側から吹いてきた風の影響と考えるのが自然と思います。
というように,東金町や立石周辺でやや線量高めの傾向は見られるものの,それら地域が一様に満遍なく線量が高いかと言ったらそうではない。
線量の高い地域の間に低い所もある。
つまりふるいにかけたように均一に降り注いだ訳ではなく,ムラがあるのですね。
粉で言えばダマがある状態。
勿論今回の調査は砂場メインで,一口に砂場と言ってもいろんな構造があり,放射性物質が滞留しやすい構造もあれば,そうでないものもあるでしょう。
また私立の保育園・幼稚園の中には,既に独自に砂の入れ替えをしたところもあるかもしれない。
手付かずならもっと高い線量を示すところがあったかもしれません。
ただ,地図上に葛飾区が出してきたデータを元に印を打っていくと,ざっくりとしたイメージではありますが,多少見えてくることがあるように思います。
葛飾区では,今回の結果を受けて,0.25以上の砂場については砂の入れ替えをするそうです。
一番高い線量を示したのは東金町運動場テニスコートで,0.59。
次は川端小学校で,0.57。
この数値は毎時ですから,川端小学校の砂場で1年間生活するとすれば,0.57×24×365で4993.2マイクロシーベルト/年となり,即ち4.99ミリシーベルト/年になります。
我が国の被曝許容量は1ミリシーベルト/年。避難基準が20ミリシーベルト/年ということになって,それは許せんと言って辞めた人もおりましたが。
そう考えると川端小学校の砂場はかなり高い。
葛飾区の基準,0.25だと,年間では2.19ミリシーベルト。
これもまだちょっと高い気がしますが,当然砂場だけで生活する人はいないので,そのレベル以下なら問題無いであろうという判断なのでしょう。
ただそういった砂場などで埃を吸い込んでの内部被曝も当然ありましょうし,そうなると年間の被曝量が急激に増えますので,なるべく砂を入れ替えるなど対策した方がいいですわねえ。
走り幅跳びの授業ではマスク着用なんてのはどうにも困ったもので。
しかしこれ,洒落にならないな。そういうところもありそうだ。
とにかく,今回の区の調査は砂場,運動場で行われた訳ですが,たぶん放射性降下物が残留しやすいところだと思いますので,水素爆発以後,どのように落ちてきたのかを知る一つのデータにはなるかと思います。
ただこれも注意が必要で,放射性降下物が付着した夏草を刈って,それを焼却処分したりしたところも多いと思うのですね。
その煙なんかがまた散らばって,2次的なホットスポットができている可能性もあります。というようにいろんなパターンが考えられます。
いずれにせよ,ちょっとタイミングとしては遅いと思いますが,このように調査をして,数字を示してくれれば,あー砂場で年間2ミリシーベルトか,それならまだ大丈夫かなとか,いや,ウチの近所は高めだから子供にはマスクをさせようとか,考えようがあります。対策ができます。
「大丈夫です」「ただちに問題はありません」だけでは不安を煽るだけだ。
ちなみに年間被曝許容量の1ミリシーベルトを時間にすると0.114マイクロシーベルト。
そう考えると,私の住んでいる辺りでも,ちょっと高いのかなあと思います。
私らはともかく,成長段階の子供には良くないだろうと考えるのが普通。
事故のあった原発周辺はもっとひどい数値な訳で,しかし諦めることなく,高圧洗浄機などを使っての除染を巡回させるなど,繰り返し線量を減らしていく努力が必要に思います。
データを開示し,対策を見せていかなければ停滞ムードを打破できません。