大銀座落語祭2008 ― 2008/07/27 22:02
今年で一応のファイナルという大銀座落語祭。
7月19日の2会場をハシゴしてきました。
最初はJUJIYAホールにおける「やられた!の会」。
三遊亭吉窓 「のめる」
柳家さん八 「辰巳の辻占」
鈴々舎馬風 「禁酒番屋」
(仲入り)
川柳川柳 「首屋」
柳家小袁治 「王子の狐」
なかなか渋い会ですわね。
川柳師匠だけ違う部品のような気がしますが(笑)。
その川柳師匠も,円生直伝という古典の「首屋」を。
ただ「首屋」は前座ネタと言いますか,短い噺なんですが,全体の
2/3ぐらいはマクラでしたね(笑)。
ただそのマクラは川柳師匠の真骨頂でありまして,爆笑を誘って
おりました。
皆さんいい年の大師匠ですが,これぞ江戸の落語という感じで,
見ごたえのあるいい会でした。
馬風師匠の「禁酒番屋」は十八番と言っていいでしょうが,生で
見られて良かったです。
目が妙な色になって,あまりお体の調子は良くなさそうにお見受
けしましたが,大熱演。
「ひかえておれ!」のたたみかけに爆笑。
大満足で表に出る。
しかしこの日も暑かったですわ。
じりじりと。
「やられた!の会」は14時ぐらいに終わって,次は17時30分に
始まる。
その間に何か食事をしておきたい。
しかし中途半端な時間なので,開いている店は限られてくる。
考えるのも面倒なので,ライオンに直行。
ビールも飲みたかったですしね。
ライオンも大繁盛。
少し待って,席を作ってもらう。
ビールにありついてひとここちつく。
この銀座のライオンが好きなんですね。
古い建物の風情がたまりません。
これ↓はタイル絵ですね。

作りも重厚でいいもんです。

ここは戦争で焼け落ちなかったのですかね。
74年経っているということでしたが。
こういうのは残してもらいたいものです。
大ジョッキを何杯かやっつけて,シメにギネスを一杯。
いい時間になったので次の博品館劇場に向かう。
第一部は「米團治への道」。
桂吉坊 「商売根問」
桂小米朝 「青菜」
(仲入り)
林家いっ平 「浜野矩随」
桂小米朝 「景清」
第二部は「可朝・鶴光二人会」。
笑福亭学光 「試し酒」
笑福亭鶴光 「竹の水仙」
月亭可朝 「狸賽」
小米朝師が米團治を襲名するのですね。
いっ平師も三平を襲名するということで,襲名つながりなんでしょう。
なにも大看板を継ぐからといって人情噺をやらなくてもいいのに(笑)。
大きなネタをやりたくなるのでしょうか。
まあ偉大な父親を持つと大変ですわね。
春團治師匠は限られたネタのいくつかしかやりませんし,マクラも
ふらないですが,素晴らしい。
川柳師匠なんかは寄席では「ガーコン」ばっかりですがね(笑)。
客もそれを期待しているからいい訳です。
米朝師匠は200ぐらい持ちネタがあったそうですが,今や全部忘れ
てしまったそうです。
息子の米團治襲名についても,会見に呼ばれて出て行ったものの,
「今日はなんやったかいな」と(笑)。
「いや,米團治の襲名ですがな」
「誰が?」
「いやいや,あなたの息子の小米朝が米團治を襲名するんじゃない
ですか」
「そらええなあ」
という具合らしいです(笑)。えらいことになったはります。
しかし上方落語はテンポが良くていいですな。
ポンポンポン!と勢いがあって。
松鶴師匠にしても,晩年はロレツが回らないようなところもありま
したが,あれで結構速いんですよね。
録音を少し憶えて,一緒にこっちも発音してみるとよくわかります。
凄い早口なんです。
でもそんな風に聞こえないんです。これはもう芸の力でしょうね。
あれはたぶん,ギターの上手い人みたいなもんで,一音一音の粒
がたっぷりはっきりしていて,そんなに速くは聞こえないのに実際は
やたらと速かったりするのと同じようなものなのではないかと考え
ております。
落語でも記憶からセリフを引き出しているうちはまだたどたどしく
聞こえるのではないかと思います。
完全に体に入れて,人物になり切って,口が決まってくると,かなり
の早口でもそうせっついては聞こえなくなってくるのではないかと。
素人なりにそんな感じなのかなと考えているのですが,どうなんで
しょうね。
ま,なにしろ,第一部はそれはそれできっちりしてよかったですが。
第二部はもう,それはそれは(笑)。
鶴光師匠の「竹の水仙」も十八番と言っていいネタだそうで,定評
に違わぬ噺ぶりでありました。
もう何十年も「ええか,ええのんか」ですが(笑),落語はきっちりし
てます。
還暦を迎えているはずですが,若々しくて元気ですな。
可朝師匠は「狸賽」。踊りながらの登場。
これまた可朝師匠にぴったりの噺。
マクラも危険に満ちたもので,大爆笑でありました。
サゲの後,もうちょっと待ってくれということで,何かと思ったらソデ
からギターを渡され,なんとギター漫談の大サービス。
「そらあぼないで」でおなじみの「出てきた男」。
生で見られて大感激。
なんとYOU TUBEにありました(笑)。
鶴光師匠に破門された嘉門達夫の番組にゲスト出演した時の映像
だそうです。
可朝師匠も三代目染丸師匠のところを破門されているのですね。
それで米朝一門に入り,奇しくも小米朝を名乗っていたと(笑)。
これ↑は短いですけど,枠次第でなんぼでも長くなります(笑)。
短いとちょっと物足りないですね。
せめてこの倍はやってもらいたい。
あのとぼけた味がたまらない。
ほんまにほんまでっせ。
てことで大満足。この日はたっぷりと落語を堪能しました。
この会は無くなるそうですけれども,アンテナを張り巡らして,また
面白そうな会を見に行きたいと思っております。
しかし落語会のチケットはなかなか取れないんですわ。
今回のチケットも,先行販売の電話をかけても1時間つながらなかっ
た。
春團治師匠の会も行きたかったのですが,即完売。
どうしても押さえたい場合は,ぴあの窓口に直接行くのがいいらしい
ですね。
しかしそれもまた大変だ。
ブラック師匠も久しく見ておりませんので,また浅草かどこかへ足を
運ぼうと思っております。
※追記
そう言えば,可朝師匠のギターのチューニングが滅茶苦茶でした
(笑)。
随分と前に「徹子の部屋」に出た時,「あなたはギターをどうやって
覚えたのか」という問いに,「よう弾きまへんねん」と答えておりまし
た(笑)。
チューニングも「ようしませんねん」ということで,楽屋で横山ホット
ブラザーズの師匠たちなんかと一緒になると,向こうがわかってい
て,さっとギターを取り上げて,チューニングしてくれるのだそうで
す。
ああ,あの話は本当なんだなと思いました(笑)。
それにしても,今回だって誰かチューニングすればいいのに。
私がしてさしあげたいぐらいです。
そして何故か2カポ(笑)。
キーを合わせているのかもしれませんが,まあ所謂Fコードが押さえ
られないというヤツなんでしょうな。
バレーだかセーハーだかができないのでしょう。
それでカポタストを使っているわりには,コードを押さえ切ってなく
て,ポロロンの最後がプツプツしちゃって(笑)。
あのテキトーぶりはもう最高です。
7月19日の2会場をハシゴしてきました。
最初はJUJIYAホールにおける「やられた!の会」。
三遊亭吉窓 「のめる」
柳家さん八 「辰巳の辻占」
鈴々舎馬風 「禁酒番屋」
(仲入り)
川柳川柳 「首屋」
柳家小袁治 「王子の狐」
なかなか渋い会ですわね。
川柳師匠だけ違う部品のような気がしますが(笑)。
その川柳師匠も,円生直伝という古典の「首屋」を。
ただ「首屋」は前座ネタと言いますか,短い噺なんですが,全体の
2/3ぐらいはマクラでしたね(笑)。
ただそのマクラは川柳師匠の真骨頂でありまして,爆笑を誘って
おりました。
皆さんいい年の大師匠ですが,これぞ江戸の落語という感じで,
見ごたえのあるいい会でした。
馬風師匠の「禁酒番屋」は十八番と言っていいでしょうが,生で
見られて良かったです。
目が妙な色になって,あまりお体の調子は良くなさそうにお見受
けしましたが,大熱演。
「ひかえておれ!」のたたみかけに爆笑。
大満足で表に出る。
しかしこの日も暑かったですわ。
じりじりと。
「やられた!の会」は14時ぐらいに終わって,次は17時30分に
始まる。
その間に何か食事をしておきたい。
しかし中途半端な時間なので,開いている店は限られてくる。
考えるのも面倒なので,ライオンに直行。
ビールも飲みたかったですしね。
ライオンも大繁盛。
少し待って,席を作ってもらう。
ビールにありついてひとここちつく。
この銀座のライオンが好きなんですね。
古い建物の風情がたまりません。
これ↓はタイル絵ですね。

作りも重厚でいいもんです。

ここは戦争で焼け落ちなかったのですかね。
74年経っているということでしたが。
こういうのは残してもらいたいものです。
大ジョッキを何杯かやっつけて,シメにギネスを一杯。
いい時間になったので次の博品館劇場に向かう。
第一部は「米團治への道」。
桂吉坊 「商売根問」
桂小米朝 「青菜」
(仲入り)
林家いっ平 「浜野矩随」
桂小米朝 「景清」
第二部は「可朝・鶴光二人会」。
笑福亭学光 「試し酒」
笑福亭鶴光 「竹の水仙」
月亭可朝 「狸賽」
小米朝師が米團治を襲名するのですね。
いっ平師も三平を襲名するということで,襲名つながりなんでしょう。
なにも大看板を継ぐからといって人情噺をやらなくてもいいのに(笑)。
大きなネタをやりたくなるのでしょうか。
まあ偉大な父親を持つと大変ですわね。
春團治師匠は限られたネタのいくつかしかやりませんし,マクラも
ふらないですが,素晴らしい。
川柳師匠なんかは寄席では「ガーコン」ばっかりですがね(笑)。
客もそれを期待しているからいい訳です。
米朝師匠は200ぐらい持ちネタがあったそうですが,今や全部忘れ
てしまったそうです。
息子の米團治襲名についても,会見に呼ばれて出て行ったものの,
「今日はなんやったかいな」と(笑)。
「いや,米團治の襲名ですがな」
「誰が?」
「いやいや,あなたの息子の小米朝が米團治を襲名するんじゃない
ですか」
「そらええなあ」
という具合らしいです(笑)。えらいことになったはります。
しかし上方落語はテンポが良くていいですな。
ポンポンポン!と勢いがあって。
松鶴師匠にしても,晩年はロレツが回らないようなところもありま
したが,あれで結構速いんですよね。
録音を少し憶えて,一緒にこっちも発音してみるとよくわかります。
凄い早口なんです。
でもそんな風に聞こえないんです。これはもう芸の力でしょうね。
あれはたぶん,ギターの上手い人みたいなもんで,一音一音の粒
がたっぷりはっきりしていて,そんなに速くは聞こえないのに実際は
やたらと速かったりするのと同じようなものなのではないかと考え
ております。
落語でも記憶からセリフを引き出しているうちはまだたどたどしく
聞こえるのではないかと思います。
完全に体に入れて,人物になり切って,口が決まってくると,かなり
の早口でもそうせっついては聞こえなくなってくるのではないかと。
素人なりにそんな感じなのかなと考えているのですが,どうなんで
しょうね。
ま,なにしろ,第一部はそれはそれできっちりしてよかったですが。
第二部はもう,それはそれは(笑)。
鶴光師匠の「竹の水仙」も十八番と言っていいネタだそうで,定評
に違わぬ噺ぶりでありました。
もう何十年も「ええか,ええのんか」ですが(笑),落語はきっちりし
てます。
還暦を迎えているはずですが,若々しくて元気ですな。
可朝師匠は「狸賽」。踊りながらの登場。
これまた可朝師匠にぴったりの噺。
マクラも危険に満ちたもので,大爆笑でありました。
サゲの後,もうちょっと待ってくれということで,何かと思ったらソデ
からギターを渡され,なんとギター漫談の大サービス。
「そらあぼないで」でおなじみの「出てきた男」。
生で見られて大感激。
なんとYOU TUBEにありました(笑)。
鶴光師匠に破門された嘉門達夫の番組にゲスト出演した時の映像
だそうです。
可朝師匠も三代目染丸師匠のところを破門されているのですね。
それで米朝一門に入り,奇しくも小米朝を名乗っていたと(笑)。
これ↑は短いですけど,枠次第でなんぼでも長くなります(笑)。
短いとちょっと物足りないですね。
せめてこの倍はやってもらいたい。
あのとぼけた味がたまらない。
ほんまにほんまでっせ。
てことで大満足。この日はたっぷりと落語を堪能しました。
この会は無くなるそうですけれども,アンテナを張り巡らして,また
面白そうな会を見に行きたいと思っております。
しかし落語会のチケットはなかなか取れないんですわ。
今回のチケットも,先行販売の電話をかけても1時間つながらなかっ
た。
春團治師匠の会も行きたかったのですが,即完売。
どうしても押さえたい場合は,ぴあの窓口に直接行くのがいいらしい
ですね。
しかしそれもまた大変だ。
ブラック師匠も久しく見ておりませんので,また浅草かどこかへ足を
運ぼうと思っております。
※追記
そう言えば,可朝師匠のギターのチューニングが滅茶苦茶でした
(笑)。
随分と前に「徹子の部屋」に出た時,「あなたはギターをどうやって
覚えたのか」という問いに,「よう弾きまへんねん」と答えておりまし
た(笑)。
チューニングも「ようしませんねん」ということで,楽屋で横山ホット
ブラザーズの師匠たちなんかと一緒になると,向こうがわかってい
て,さっとギターを取り上げて,チューニングしてくれるのだそうで
す。
ああ,あの話は本当なんだなと思いました(笑)。
それにしても,今回だって誰かチューニングすればいいのに。
私がしてさしあげたいぐらいです。
そして何故か2カポ(笑)。
キーを合わせているのかもしれませんが,まあ所謂Fコードが押さえ
られないというヤツなんでしょうな。
バレーだかセーハーだかができないのでしょう。
それでカポタストを使っているわりには,コードを押さえ切ってなく
て,ポロロンの最後がプツプツしちゃって(笑)。
あのテキトーぶりはもう最高です。
コメント
_ hide ― 2008/08/08 18:16
_ ダメ人間 ― 2008/08/13 08:08
ああ更新できねえよ。
書きたいことはいっぱいあるのに。
今時携帯で更新できないブログというのがいかんなあ。
楽太郎→円楽はまあ普通の流れでしょうね。
円生はどうなるのだろう。
志ん生も。
みんな怖すぎて継げないか。
志ん朝を狙っている人はいるみたいだけど。
書きたいことはいっぱいあるのに。
今時携帯で更新できないブログというのがいかんなあ。
楽太郎→円楽はまあ普通の流れでしょうね。
円生はどうなるのだろう。
志ん生も。
みんな怖すぎて継げないか。
志ん朝を狙っている人はいるみたいだけど。
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。
トラックバック
このエントリのトラックバックURL: http://dameblo.asablo.jp/blog/2008/07/27/3654923/tb
※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。
ようやく全て読み終わりました。
何やら楽太郎師匠が6代目円楽をお継ぎになったとか。
また、寄せにご一緒しましょう!