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ご無沙汰致しております。2012/10/08 09:51

9ヶ月ぶりでございます。
これまで私事ですが,人生の岐路と言いますか,なかなかスリリングな毎日を過ごしておりました。
具体的に言えば簡単で,失職ということでございます。
選ばなければ仕事はあるのですが,よせばいいのに教職の道に進むと自分で決めてしまったもので,エラいことになってしまいました。
実は2010年から高校の非常勤講師ではあるのですが,これだけでは到底食っていけませんので,いろいろ応募したのですが,書類でアウトならまだいい方で,何のリアクションも無いというところも少なからずありました(日本語学校はこれが多かった)。
この夏にはほぼ諦めかけていて,とりあえず何か収入を得なければならんだろうと,他の職に就こうかと考えたりもしました。
ウチで仕事しないかと声をかけて下さる方もいらして,大いに心が動いたりもしました。ご厚情頂いた皆様にはいくら感謝しても感謝しきれません。本当にありがとうございました。
そんな時,ちょうどオリンピックがありまして,日本人選手も大活躍でした。
メダルという結果を残した選手も,そうでない選手も,口々にこれまで支えてくれた人たちへの感謝と,夢に向かって諦めずにやってきたことでオリンピックの舞台に立てた喜びを語っておりました。
私も諦めてはいかんなと(笑)。
教職に就こうとしている人間が,簡単に諦めてしまってはダメだろうと。
40代半ばになって教職を目指すことの困難はわかっておりますが,諦めずに進んでいけば必ず夢は叶うということを証明してこそ,私が教職に就く意味が出てくると勝手に思いました。
現在,前から所属している高校と,その他に高校と日本語学校で非常勤として採用されました。
新たな一歩を踏み出したところです。
ただご存知の方はご存知でしょうが,収入面では非常勤,特に日本語教師というのは恵まれていないものなのです。
まだまだこれではまともに生活できず,さてどうしようかというところなのですが,それはそれ。
ここから数年耐え忍べば,必ず次の展開があると信じて,経験を積み上げていくしかないのかなと思います。
いいバイトがあったら紹介して下さい(笑)。
以上,近況報告です。
マラソンレポートは昨年末からすっぽり抜けてしまっておりますが,そういうことでご勘弁下さい。
一応私のマラソンページの更新だけしておきました。
http://www.ne.jp/asahi/kuri/brain/marathon.htm

マウリッツハイス美術館展の感想を書けとKCさんに言われておりますので,それだけ簡単に書いておきます。ちゃんと行ってきました。
フェルメールの「真珠の耳飾りの少女(青いターバンの少女)」ですが,写真で見ると彼女の表情には,うっすらと「?」が含まれているように私には感じられたのですが,実際の絵を見たら,その「?」がほとんど感じられない。写真からは感じられなかった彼女のしっかりとした意思が伝わってくる表情でした。
まるで違う絵を見ているような気分になりましたね。
絵を見に行って,ここまで印象が違うというのはこれまであまり無かったので驚きました。勿論収穫と言っていいでしょう。
東京都美術館を出てから,その足で国立西洋美術館の「ベルリン国立美術館展」にも行き,「フェルメールのハシゴ」をしてきました(笑)。
贅沢な一日でした。

ということで,またこちらにもぽつぽつ書いていきます。よろしくお願い致します。
あ,そうそう。来年の東京マラソン,当選しました!
これはまたこちらでみっちりレポートしなければなりませんね。

マウリッツハイス美術館展2012/01/09 04:07

マジで来る。

まさか自分が生きているうちに日本で見られるとは思ってなかったが(いや,いつ死ぬかはわからんが),情報は本物であったようだ。TVでも宣伝が流れました。
フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」が来ます。
改修の終わる東京都美術館での開催。6月末から。
マウリッツハイスは改修に入るようですね。
実は今,BUNKAMURAにもフェルメールが来ているのですね。
これも行かねばならんが,まあそのうちなんとかしよう。

ということで,年末のマラソンレポートなんかも放置しっぱなしですが,新年を迎えまして,個人的には今月は正念場となります。
その先どうなるかもわからず,ぼーっとしていられませんが,毎日知恵熱が出そうなほど充実感もあり,これは幸せなことだと感謝しております。
かけっこの方もそんな訳で今シーズンは控えめにしておりますが,また徐々に距離を踏めるようにしていきたいと考えております。
次の大会は2月4日「東京ゲートブリッジ完成記念スポーツフェスタ」で,かわいく8キロを走ります。どういう大会かまだ全く把握していないのですが。
そんなこんなで,気合だけは保っていこうと思っております。
本年もよろしくお願い致します。

フレデリック・バック展と映画「サヴァイヴィングライフ」2011/09/25 15:10

昨日は某所でワイン会があったのですが,最後の方,かなりエラいワインも出てきたはずですが,全く味を憶えておりませんな。
私は完全に質より量の人間なようです。育ちの悪さか。
味がわかってお育ちのよろしい人なら,1万円あれば1万円のワインを買うでしょう。
私ならどうかな。5千円のワイン1本と千円のワインを5本買うでしょうか。
それは気取りすぎか。
5百円のワインを20本買うかもしれません(笑)。
ここら辺が私の限界なのかもしれません。
まあそれはそれとして,10本以上のワインを飲み比べるというのは面白い。人間が一人一人違うようにワインにも個性があります。
上等のワインのような人間に(笑)なりたいものです。
 
先週の木曜日には大相撲を見物しました。
横綱白鵬が敗れてザブトン飛びまくり。
ミュンヘンのビアホールでコースターが飛びまくっている光景を懐かしく思い出しました。
それにしても,稀勢の里は遠目にも気合が入っているのが伝わってきましたねえ。
これはやるんじゃないかと思わせるものがありました。
一番人気は臥牙丸ですね。大歓声。この日は琴奨菊に負けましたけど。
他では豊真将も人気。
チェコ出身の隆の山も今場所は負け越してしまいましたが,幕内最軽量ながらなかなかキレのある相撲で,これからどうなるか楽しみです。
私は今日本語,日本語教育の勉強をしているのですが,これから我が国は海外から人に来てもらわないことには困ってしまう。
例えば高校でも今はスポーツの留学生は受け入れているところがありますが(青森山田とか朝青龍の明徳義塾とか),今後は大学のように一般の留学生を受け入れる方向が出てくるかもしれない。
そうなれば新たな人材の需要が出てくるかなとも考えているのですが,相撲の世界はとっくにそれをやっているのですね。
高見山,小錦の時代は苦労もあったようですし,モンゴル勢が出てきた時もなんで外国人が相撲をやっているのか,日本人力士が上位に上がれないもどかしさも含めて,国技としてこれでいいのかという議論は今でもあるかもしれません。
しかしこの日現場で大相撲観戦をした印象では,すっかり外国人力士もなじんでますね。
まあ数の多さもあるのでしょうが(今幕内に42人の力士がおり,その内外国人は16人),人気もありますし,定着したなと。
髷結って,マワシ締めてるんだから認めてやろうよ(笑)。
とにかく,これからの日本社会が映し出されているようにも見えました。
 
そんなこんなで遊んでばかりなのですが,大相撲観戦の2日前,東京都現代美術館で開催中の「フレデリック・バック展」を見てきました。
フレデリック・バックは前にもご紹介しましたが,絵本やアニメーションの仕事で有名です。
 

 

 
そもそもは画家で,今回展覧会を通して,抜群に絵の上手い人であることを再確認しました。
滲むような色の技法についても示されており,大変興味深い。
まだやってます。
 
http://www.ntv.co.jp/fredericback/index.html
 
図録を買ったらカードと色鉛筆をオマケにくれました。
この色鉛筆が変わっていて,芯が7色なんです。中心から放射状に7色になっている。
また会場の出口ではスタジオジブリ作品の「コクリコ坂から」のキャラクターが描かれた色紙をプレゼント。
http://www.ntv.co.jp/fredericback/3032.html
客の入りが悪いんですかね。ちょっと心配してしまった。
 

 
現代美術館から渋谷に直行。
次はヤン・シュヴァンクマイエル監督作品の「サヴァイヴィングライフ」。
映画です。
私はこの↓作品で狂ったのですが。
 

 
前作の「ルナシー」も見ましたが,また作品を作ってたのですねえ。
自分がバタバタしてチェックしてませんでした。
展覧会も原宿でやっていたようですが見逃した。残念。
映画はまだやってます。
渋谷のイメージフォーラムです。
詳しくは公式サイトをご覧下さい。
 
http://survivinglife.jp/
 
内容は映画ですから述べないことにしましょう。
フロイトなどを齧った方だと舌なめずりしながら見られるかもしれません。
この辺お好きな方はお見逃しなく。
全国巡回もするそうです。

昨日見てきたもの2011/07/01 11:01

まず銀座方面へ。
INAXギャラリーの「凝縮の美学 名車模型のモデラーたち」展。
 
http://inax.lixil.co.jp/gallery/exhibition/detail/d_001870.html
 
これは見事でしたねえ。
金属や樹脂や木などを削るなりして車やバイクの模型を作る訳です。
真鍮棒をロウ付けしてシャーシを作るところから始まったり。
1/24縮尺なら,ネジだってそれなりに小さくしなければならない。
ネジについては厳密な縮尺にしようがないので,ある程度の妥協があるようですが,それでも0.5mmとかになる。
それを何百,何千と旋盤で量産する。
このような気の遠くなる作業の連続。
金属板を叩き出す,オスメス型に挟んでプレスする,樹脂で注型する,バルサ材を削るなど,作り方は様々。
異常なクオリティの高さで,またある意味極端な物作りですが,ここにはいくつものヒントがあります。
作品のそれぞれは実に美しい。
もう車やバイクの模型という域を超えている。
縮尺して再現するというより,作者の表現そのものになっている。
大きなギャラリーではなく,作品点数もそれなりですが,大きく心を動かされた。
INAXギャラリーはタダで入れます。
企業の美術館はこのようにタダであったり,金を取っても安かったりしてありがたい。
物作りの好きな人には必見の展示と言えます。
この展示に合わせて作られたブックレットも資料として価値が高い。
 

 
INAXギャラリーからちょっと歩いて東西線に乗り,竹橋へ。
東京国立近代美術館の「パウル・クレー おわらないアトリエ」展。
 
http://klee.exhn.jp/index.html
 
パウル・クレーは好きな画家でして。
名を冠した展覧会は欠かさず見るようにしてます。
なんかかわいいんですよね。
スリリングな時代と地域を生きた画家ではありますが,絵が楽しそう。
今回かなりの点数で堪能しました。
展示のレイアウトも凝ってましたね。
大混雑も無く,いい展覧会でした。
作品保護の観点から,ばっちり冷房が効いている。節電で電車もぬるい状況ですから,作品を眺めながらクールダウンできてありがたい。
そりゃそうですよね。日本に持っていったらカビが生えたなんてことになったらマズい。
 
近代美術館から歩いて北の丸公園を抜け,九段へ。
先日NHKの「新日曜美術館」で取り上げられていた画家,諏訪敦さんの作品が成山画廊というところでかかってるそうなので。
 
http://www.gallery-naruyama.com/
 
雑居ビルの一室で,作品点数も10枚に満たないぐらいでしたが,いやもうこれが。
新日曜美術館のその回は,7月3日の夜の再放送があります。
どういう内容かというと,ある結婚間近の女性が,ボリビアのウユニ塩湖へ旅行に行ったと。
そこで不運にも事故に遭い,亡くなってしまった。
その女性の親御さんは,その現実を受け入れられない。
お父さんは元々新聞社に勤め,今は大学で教鞭をとっておられるようですが,新聞社時代の美術に明るい人の紹介を受け,諏訪さんに娘の肖像画を依頼した。
ところがこの諏訪さんは,人物の写真を見て,そのまま描くような簡単な絵描きではなかった。
というようなところから始まります。
次の再放送は録画するつもりです。
画廊にあった解説文の中に,この諏訪さんについて「写実という差別表現」を使われるという一節がありました。
確かに精細でリアルな表現ではありますが,現実にあるものをそのまま写しているのではない。むしろ現実に無いものを描いている。
しかしそれも,所謂シュール・リアリズムと言われる流れとはちょっと違う。
評論する人はどうしてもカテゴリー分けをしたくなるのかもしれませんが(そうした方が楽なのでしょう),まあ美しければそれでいい。何に属するとかは意味が無い。
諏訪さんのサイトはこちら↓。
 
http://members.jcom.home.ne.jp/atsushisuwa/
 
今月末から始まる諏訪市美術館の作品展も見たいなあ。

「花鳥の美」展と備忘録2011/06/11 05:54

また頂戴したチケットで,出光美術館の「花鳥の美」展を見てきました。
凄いコレクションでした。
中国の古い青磁やら,柿右衛門やら。
野々村仁清の焼き物なんて初めて見ました。
その翌日,たまたまNHKの「美の壺」の再放送で京焼をやっており,仁清も出てきてました。
一見ばらばらな色使いが,金泥の輪郭線によってなじんでいく。
魔法のようであります。
ド派手ではありながら気品がある。
まあなにしろすげーもん持ってるなと。
出光美術館は陶片のコレクションもありまして,縄文土器やら鍋島やらなにやらと引き出しに入って並べてある。
焼き物好きな人ならしばらく楽しめるでしょうね。
 
出光美術館を出て,その足で秋葉原へ。
LEDを買ったりしたのですが,ぶらぶら歩いて湯島駅へ向かっていると,久しぶりに違法ソフトのチラシを貰った(笑)。
もうさんざん逮捕されているのに,懲りないやつらだ。
一応「中古ソフト」となっているが,「認証解除できることを保証致します」だって(笑)。
よくやるわ。
 
で,現在開催中,これから開催の展覧会で私が見たいものを忘れないように書き留めておきます。
 
「パウル・クレー 終わらないアトリエ」
東京国立近代美術館 5月31日~7月31日
http://klee.exhn.jp/index.html
 
「凝縮の美学 名車模型のモデラーたち 展」
INAXギャラリー 6月3日~8月20日(東京)
http://inax.lixil.co.jp/gallery/exhibition/detail/d_001870.html
 
「フレデリック・バック展」
東京都現代美術館 7月2日~10月2日
http://www.ntv.co.jp/fredericback/index.html
 
「フェルメールからのラブレター展」
Bunkamuraザ・ミュージアム 12月23日~2012年3月14日
(京都市美術館では6月25日~10月16日)
http://vermeer-message.com/
 
フレデリック・バックは,私もこの↓絵本を持っておりますけれども
 

 
アニメーションにもなっている。
どんな展覧会になるのか楽しみです。

「真珠の耳飾りの少女」が日本に来る!?2011/05/31 00:50

私が知らなかっただけで,随分前に決まっていることのようですが。
フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」(「青いターバンの女」と言うこともありますが)についてちょっと調べものをしていたら,↓のような情報がいくつか見られた。
http://www.arukikata.co.jp/webmag/nl_art/exhibition/
2012年,来年の夏,東京都美術館に来ると。
この作品が,おそらくまだ私の生きているであろう時に,日本へ来ることがあるとは思っていませんでした。
この作品を持っているオランダのマウリッツハイス美術館が大改修を行うということだそうで。
しかし今回の大震災があり,更に原発のことがありますでしょう。
中止にならないか心配です。
なんとか予定通り開催してほしい。
その願いが今も溢れて止まらないほどですが,これまで中止の情報が出ていないかどうか,ばーっとネット上を見渡してみたのですが,とりあえずそのような情報は見当たらない。
一つ気に入らないのは,東京都美術館は今工事中なのですが,そのサイトにこの情報が出ていないのですね。やるともやらないとも書いてない。
そこは何故だか気になる。予定として示してもいいと思うのですが。
マウリッツハイスのサイトではどう書かれているか。
http://www.mauritshuis.nl/index.aspx?ChapterID=8958&ContentID=42428
一応まだ中止的な話は書かれていない。
この「真珠の耳飾りの少女」を含むコレクションでワールドツアーをやるよと。
日本は東京,神戸と回って,その後アメリカの3箇所で展覧会をやると。
今のところ期待をしてよさそうだ。
ホントに来てくれたら,これは嬉しいなあ。
とりあえずあと1年ちょっとは,どんな汚いことをしてでも生き続けなければならない。

「写楽」展2011/05/21 18:17

書き忘れてましたが,東京国立博物館で開催中の「写楽」展,見てきました。
http://sharaku2011.jp/
某氏にチケットを貰ったのですが(感謝),元々4月5日~5月15日の開催で,4月中に一度足を運んだ。
ところが震災の影響で,会期を遅らせたのですね。それで見られなかった。
5月1日~6月12日に変更になり,5月に入ってからまた行きました。
震災のため作品が搬入されなかったのか,一枚分空白になっているスペースもありました。
海外から作品を持ってくる展覧会ではまるごと中止というところもありますが,まあしょうがないと言えばしょうがないですわね。
余震が続き,放射性物質が舞っている状況ですから。
この手の展覧会だと,まず普通なら大混雑になるものですが,今回私が行った日はそれほどでもなかったですね。
沈滞ムードは否めないのかもしれません。
どんどん動かないと。
で,内容ですが,まずその分量に圧倒される。
まずよくこれほどの写楽を集めたなと。
国立博物館の所蔵品が多いですが,海外からもかなり多くの作品を借りてきてます。
そして展示の仕方がまた面白い。
一人の歌舞伎役者をその時代の絵師がどう描いたか。
例えば三代目沢村宗十郎の大岸蔵人を,写楽,歌川豊国,勝川春英のそれぞれが描いたものを並べる。
或いは同じ絵でも,版によってどう違うかを並べて展示する。
ユニークで興味深い試みですが,それらのコンセプトでどーん!と打ち出すには,作品を集めないといけませんからね。
海外のもの,個人蔵のものなども集めて,なかなか大変だったろうと思います。
写楽そのものについては,時代毎にも展示されておりましたが,初期のものがぶっ飛んでいていいですね。異彩を放っている。
後になるほど普通になってきて,面白みがなくなってきます。
花火のように才能が炸裂したのでしょうかねえ。
広い平成館にびっちり。
一回りすると歩き疲れるほど。
堪能しました。
上記の通り,写楽に限らず役者の絵がたくさん掛かっておりましたが,ああして描かれている役者さんって,当然今活躍されている歌舞伎役者さんのご先祖ってことになる訳ですよね。
それも考えてみれば凄いなと。
変なところでも感心してしまいました。

フェルメール「地理学者」2011/04/21 11:25

フェルメールの「地理学者」が渋谷のBunkamura「ザ・ミュージアム」で展示されております。
 
「シュテーデル美術館所蔵 フェルメール《地理学者》とオランダ・フランドル絵画展」
http://www.vermeer2011.com/
 
渋谷は5月22日まで。
その後,豊田市美術館(愛知県)に巡回するようです。
なにしろフェルメールということで,世界に30数点しか作品の残っていない作家でありますし,ずっと見に行きたいと思っていたのですが,先週金曜日に渋谷でハマって帰れなくなり,ネットカフェで一泊。
こりゃちょうどいいということで土曜日に見てきました。
開館は10時で,その5分ぐらい前に到着したのですが,結構並んでましたね。
流石はフェルメール。
渋谷は,夜確かに暗い感じはありますが,お店に入ると客は入ってますね。
デパートなんかは見てないからわかりませんが,少なくとも渋谷はまあまあ元気そうに見えます。
震災直後は流石に人通りは少なく感じましたが。
で,開場して中に入る。
レンブラント,ルーベンスなんかも普通に並んでおりまして,絵に近づいてのけぞることが何度か。
「地理学者」は特別なコーナーになっており,二重三重に人が集まっている。
私は勝手にもっと大きい絵を想像していたのですが,意外に小さくて驚きました。
絵はこれ↓。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Jan_Vermeer_van_Delft_009.jpg
53.0×46.6cmだそうです。
前に「牛乳を注ぐ女」を見た時はこの逆で,大きいなと思ったのですが。
よく見ると結構不思議な絵でしてね。
人物がコンパスを持って机の上のたぶん地図に向かっていたのだと思いますが,目は地図に無く,虚空を見つめ,何かひらめきを得たか,或いは得そうな感じ。
まあそれはいいのですが,着ている服がなんだかどてらみたい。
これはどうやら日本と無関係ではなく,オランダとは平戸,出島で交易をしておりましたから,実際に日本の着物の影響を受けて,上流階級で流行っていた服装なのだそうです。
また絵の右下,床から壁が立ち上がるところに,巾木の代わりにタイルが貼り付けてある。
これは,フェルメールが生活していたデルフトは焼き物が盛んだったんですね。
青の彩色が特徴ですが,これも中国の磁器,日本の有田焼の影響を受けているようだ。
映画の「真珠の耳飾りの少女」に出てくる下働きの娘グリートの父親はタイルの絵師という設定でした。
 

 
グリート役のスカーレット・ヨハンソンは萌えた(笑)。
オランダが日本に来るのは江戸時代が始まる頃ですが,この様に日本とヨーロッパがつながっているというのも興味深い。
絵の右上には「I Ver Meer MDCLXVIIII」とありますので,1669年の作品であるのでしょう。ニュートンと同時代ですね。
これでフェルメールの名を冠した展覧会は三つかな,これまで見に行っておりますが,何と言っても見たいのは「真珠の耳飾りの少女」ですねえ。
前に来ているんですよね。その時は残念ながら行ってない。
私が生きている間に来ることはないでしょうねえ。
見たいならオランダ・ハーグのマウリッツハイス美術館に行くしかない。
ま,これも,行くことはないだろうなあ。
でも決め付けないで,いつか見に行くぞ!という気持ちは持っていたい。
ニューヨークシティマラソンもそんな感じになってきた(笑)。
NYCマラソン積み立てをしていたが,そんなもん,とっくに使っちゃった(笑)。
チャンスが来るまで元気で長生きするしかないな。

ノルシュテイン熱再燃2010/12/15 20:52

足利市美術館のノルシュテイン展を見て,またいろいろ振り返っているところであります。
http://www.watv.ne.jp/~ashi-bi/
だいぶ前にNHKのETV特集で,「ロシアの映像詩人 ノルシュテイン 日本をゆく」という番組をやってまして,その録画を見返したりもしました。
「ノルシュテイン大賞」という若いアニメーション作家を育成するコンクールがあるのですが,番組の中で各作品を審査したノルシュテインが,若い作家たちの作品に不満を抱き,表彰の前に作家を集めて,言うなればお説教しているシーンが印象的でした。
言っていることはとてもシンプルで,もっと表に出ていろんなものを見ろ,考えろ,学べ,ということですね。
ちょうどその時東京でピカソの展覧会が2箇所で開催されていた。 (その展覧会については前に書いているのがあります。「ピカソのはしご」
その展覧会を見に行った者がいるか問うと,一人しかいなかった。
好きでなくても見に行って考えることが大事なんだよと。
映画の「タイタニック」は観たかと問うと,こちらはほとんどが観ていた。
そこでノルシュテインは皮肉っぽく拍手をして,「そんな映画ばかり観ていたら,あなたたちもタイタニックと同じく沈んでしまいますよ!」と(笑)。
彼は教師としても一流だなと思いましたね。
これまでとことん突き詰めてやってきたから,陥りやすいワナがすっかりわかっているのでしょうねえ。
テレビを見ているこちらまで,はっ!とするような指摘もあったりします。
自分に刺激を与えるような若い作家に出てきてほしいということもあるのでしょう。
自分の作品のことだけでなく,アニメーションの将来のことも考えている。そういう意味では職人ですね。
ノルシュテインの仕事への取り組みを見ていると,今表現規制がなんだと騒いでおりますが,いかにも次元の低い話に思えてきます。

ノルシュテインの作品に「霧の中のハリネズミ」というものがあります↓。



この中に,水の上をラッコのように浮かんで流れていくシーンがあるのですが,ハリネズミにそれが可能なのか。
可能でした。
埋め込みが無効になっているのでURLを貼っておきます↓。

http://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=zXjPQYgT25Q

ハリネズミかわいいなあ。
アライグマやハクビシンじゃなくてハリネズミが涌けばいいのに(笑)。
野良ハリネズミがいたら心ときめくなあ。

2010さのマラソン2010/12/15 06:25

さのマラソン。
今月12日にあったのですが,結果から先に言いましょう。
第3関門で引っ掛かってしまいました。
久しぶりに収容車送りとなりました。
現状では5時間制限の大会は無理ということですね。
マラソンなめたらいかんぞと。
関門が3つありまして。
第1関門が23キロ地点で2時間30分。
第2関門が30キロで3時間15分。
第3関門が37キロぐらいかな。4時間15分。
なかなかきついですねえ。
1キロ7分のイーブンで行こうという人だっていないことはないと思いますが,それだと第1関門で既に引っ掛かってしまう。
イーブンで行くならキロ6分30秒以上のペースが必要。
今回の私の5キロ毎のラップ。

5キロ 30分34秒
10キロ 31分46秒
15キロ 34分43秒
20キロ 34分28秒
25キロ 33分15秒
30キロ 40分00秒
35キロ 46分21秒
第3関門 4時間22分07秒

第2関門は30キロのちょっと手前にありまして,そこを通過したのが3時間18分ぐらいで,制限を3分ぐらい過ぎていたのですが,通してくれた。
正直なところ,止めてくれても良かった(笑)。
今回はもう5キロで脚にきてました。
第1関門は大丈夫だろうと思ってましたが,そこも5分ぐらいの余裕しかなく,これは厳しいことになるなと思いました。
15キロまでゆるやかな登りで,これは去年などは坂に感じませんでしたが,今年はこんな坂だったかと,まるで印象が違いました。
15キロで折り返してからは下りになりますので,少しタイムも取り戻してますが,30キロの関門を過ぎたところで,完全に脚を使い切ってました。
第3関門には7分ほど制限を過ぎて到着した訳ですが,ここを通してもらっても,5時間以内にフィニッシュするのは完全に無理。
良くて5時間半ぐらいかかったでしょう。
バスに乗せられてほっとしました。
止めてくれないと,とりあえずはゴールを目指しますからねえ。
マラソンの一番きついところをスルーしたので,ダメージはそれほどきつくなかったです。まあそれまででも相当なものですけどね。
そんな具合で,全く余裕が無かったので,レース途中の写真は1枚もありません。
ま,これもマラソン。
第2関門までは健闘したと思います。
この大会,とても寒い時もありますが,今回は暖かくて素晴らしいマラソン日和だった。
ちゃんとお稽古して走らないとダメだということですね。
心,生活の充実かな。まずは。

ということで,マラソンについては書くことがあまり無い。
ラストはバス移動で,待ち時間もそれほど無かったので,早くに自分の車に戻ることができた。
即,次の行動に移る。
実はこの前日から,足利市美術館において,「話の話 Tale of Tales ロシア・アニメーションの巨匠 ノルシュテイン&ヤーブルソワ」という展覧会が始まっているのです。これはもうなんとしても見たい。
美術館に直行する。
これが良かった。
この人のアニメーションは独特な作り方をするのですが,そのセルロイドに描いたキャラクターのパーツ(目とか鼻とか手とか)の現物を目の当たりにして,ちょっとこれは感動的でした。
普通のアニメーションは,背景や人物などを描いたセル画を重ねて(密着させて)撮影していきますね。もっとも今はCGが多いのだろうけれども。
ノルシュテインは奥の背景から,間隔を開けた数枚のガラスを設置し,それぞれに草木や人物などを配置する。これで映像に奥行きができる訳です。
その様に組んだものも展示してありまして。
「霧の中のハリネズミ」という作品のそれを見た時はちょっとのけぞりましたねえ。「うおっ!」という感じで。
ノルシュテインはゴーゴリ原作の「外套」という作品を作っているのですが,これに着手したのが1981年。
86年から中断した時期もあるそうですが,20分ぐらいのアニメーション作品が,30年ほど経ってもまだ完成していない。
作り方も尋常ではないですし,ディティールの突き詰めようが半端ではありませんからね。
10秒ほどのシーンを作るのに数ヶ月かかったりするらしい。
こちらからすればド変態ですが,本人は当たり前なんでしょうねえ。
顔や指の表情の作り込みは気が遠くなるほど。
また布を通した体の動きの表現は凄いですねえ。ちょっと普通のアニメーションでは表現できない世界でしょうねえ。
「外套」は86年から中断の時期があると書きましたが,あの国は,85年からゴルビーになりまして,89年にベルリンの壁崩壊(あの時は驚いた)。そして91年の年末にソ連が崩壊。
そういう激動の中,作られてきているのですね。
ソ連時代は,厳しいなりに芸術活動に金が出たりしたそうなんです。
それがロシアになって,良くなるかと思ったらもっと厳しくなっちゃった。
そういうこともあったそうです。
今はまあ,大丈夫なんでしょうけれども。
とにかく凄い作家です。
YOUTUBEのURLだけ貼っておきます(製作途中の「外套」です。これで半分ぐらい)

http://www.youtube.com/watch?v=aqgm7prVsXI

製作中の作品を公表してしまうというのも凄いですね(笑)。
まあゴーゴリ原作なので,内容は原作を読めばわかる。
原作に書かれていない部分をどう表現するかというところなのでしょうねえ。

で,すっかり満足したのですが,もう一つ前から気になっていたことがありまして。
さのマラソンの会場の近くに,評判のラーメン店があるのです。
「おぐら屋」というのですが。
ちょっと行ってみたいなということで,また足利から取って返して戻る。
行列のできる店らしいのですが,私が行った時は待たずに入れた。
出た時は大行列でしたが。
ラーメンはこんな↓感じ。


味も見た目と近い。
昆布だしを強めに感じるのが特徴的。
食べ始めは物足りない印象ですが,食べ終わるまでに気にならなくなる。
そういうバランスはあるのかなというところ。
何年も思い詰めていたので,評価が厳しくなってしまったかもしれませんが(笑)。

おぐら屋を出て,近くの「どまんなか田沼」の道の駅に車を停め,少し寝る。
単純に疲れてもいますから,安全面の配慮でもありますし,確か22時以降だと高速道路が休日特別割引になるんじゃなかったかと,そういうセコい打算もあって。
22時に起きて車を出し,佐野の街を走っておりますと,そんな時間でも営業している佐野ラーメンの店がたくさんある。
ところがそういう店より,ライスおかわり自由の「くるまやラーメン」の方が繁盛しているようで(笑),そんなもんかなと思いましたが。
私,この日は朝も羽生SAでラーメンを食っているのですね。
それでおぐら屋でしょ。
帰りがけ蓮田SAでもおみやげラーメンを買い,昨日食いました。
からし高菜も買ったので,今日はとんこつラーメンのトッピングにしたいなと考えているのですが,なんでこんなにラーメンが好きなのか自分でも不思議だ。
映画「南極料理人」の観測隊隊長は,食料からラーメンがなくなって(食べつくして)精神的に落ち込んでしまいますが,私も1週間以上ラーメンが切れたらちょっとつらいかも。
入院した時も,退院してまずラーメン屋に行きましたからね(笑)。
まあ私は粉と調味料があれば適当に手打ちででっちあげてしまいますが。映画ではかん水で悩んでおりましたが,私はそんな細かいことでは悩まない。
たまにやりますよ。粉に塩と水だけで打って,スープはウェイパー(笑)。
充分食えます。

てことで,すっかりマラソンレポートではなくなりましたが,この日はマラソンはおそまつだったにしても,その他にノルシュテイン,ラーメンと,三つも好きなことに触れられて,大変満足。
平日もこのぐらいの勢いが欲しいものです。

あ,そう言えば昨夜,ふたご座流星群を見ましたよ。一つだけですが。
世界平和を祈っておきました(ウソ)。